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こんにちは、ガジェットと家電のレビューブログ「ガジェルバ」の運営者イツキ(@saigalog)です。
私は2022年8月から現在までフリーランスとして活動しています。
社会人となり15年以上が経ち、これまでに3回転職、4社に勤めた経験があります。
その内2社は上場企業ということもありホワイト企業でしたが、最初とその次に勤めた2社がブラック企業でした。
3社目で奇跡的にホワイト企業に入れたからよかったものの、少し選択を間違えば未だにブラック企業のループから抜け出せず、今現在フリーランスになれていなかったかもしれません。
本記事の内容は私としてはあまり思い出したくないことで、心と記憶にずっとフタをしてきました。
妻には少しエピソードを話したことはありますが、ここまで詳しい内容を言ったことはありません。
思い出そうとすると今でも手汗や足汗が止まらなくなるし、なんなら動悸までしてくるという…。
本記事では15年以上前に経験したブラック企業エピソードや、ブラック企業を見極める方法を紹介します。
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もともと「ブラック企業」という言葉はありましたが、15年以上前は今ほど一般的ではなく、世間的な認知が浅かったです。
当時は電車男を代表するように2ちゃんねるのテキスト発で話題となり、社会現象となることがありました。
「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」というエピソードが2007年当時の2ちゃんねるに書き込まれ、書籍化や映画化されそこから広まっていった印象です。
ですので私がブラック企業で勤めていた時期が日本的にも最悪で、そこから労働環境がどんどん改善されていったというのをリアルタイムで実感しています。
新卒で入社したM社。
その後転職して入社したS社。
この2社がどちらともブラック企業でした。
最初はM社とS社のエピソードをそれぞれ時系列で話そうと思っていましたが、読んでいる方にとってはあまり意味のない分け方と思い、私が経験したブラック企業エピソードをまとめて順番にお話していきます。
新卒で入社した1社目の【M社】

専門学校を卒業して新卒で入社したM社。
あまり真面目に就職活動をせず、何社か受けたものの内定がなく、この会社もだめだったらフリーターになろうと思っていました。
そんな自分を拾ってくれたので、当時はありがたいと思っていましたが今振り返るとむしろフリーターになっていたほうがよかったのではと思ったりも…。
1年10ヶ月ほど勤めて退社しています。
いわゆるIT系ベンチャー企業で所在地は渋谷でした。
社長の大学の友人や後輩たちを集めて会社を設立したという、よくあるベンチャー企業ですね。
幹部は社長の取り巻きでガチガチに固められているので、自分が出世してそこに入り込む余地はなかったと感じています。
私はこのM社を「陰気なブラック企業」と評価しており、社内に尊敬できる人が誰もいない、雰囲気がギスギスしていて誰とも仲良くなれそうにないと当時感じていました。
転職して入社した2社目の【S社】

新卒で入ったブラック企業M社を退職後、数カ月後に入社したのがS社です。
M社を辞めたとき自らの退路を断つ意味で、職もないのに一人暮らしを始めました。
実家にいると自分が甘えて働かなくなる可能性を思ってのことでしたが、この決断によりまた余裕がなくなりしっかりとした判断力で会社を選べなかった自分の非もあるのでその点は反省しています。
比較的長めで、3年2ヶ月ほど勤めて退社しました。
ここもIT系ベンチャー企業で所在地は神楽坂です。
この会社も社長の大学の友人や後輩たちを集めて設立した会社でした。
IT系ベンチャー企業は似たような属性なのかもしれません。
私はこのS社を「陽気なブラック企業」と評価しており、M社とは真逆で尊敬できる人もいるし、社員同士の仲は良かったです。
どちらかという会社の仕組みや制度が整っておらず、結果的にブラックになってしまっているパターンでした。
2回目の面接で会社を訪ねた際、社長を含めた社員が誰もいなかった

電話をかけたが誰も出ず、30分ほど玄関で立ち尽くしていたところで大勢の社員が戻ってきました。
聞くとみんなで昼ごはんに出かけていたとのこと。
このエピソードを両親に話したところ「その会社やばいんじゃないか」と忠告されましたが、後がなかったので特に気に留めませんでした。
今考えればさすがは年の功というか、耳を傾けておけばよかったと思いますが余裕が無いと正常な判断ができない良い例だと思います。
業務量が多すぎて基本的に残業体質

定時は19時、ですがそこで帰る人はほとんどいません。
むしろ本番、定時に帰ろうとすると「イツキさんもう帰るの?」と言われる始末でした。
2時間、3時間の残業は当たり前、だいたいみんな終電コース。
終電で帰れない人は会社に泊まりますが、当たり前すぎて誰もなんとも思わない状況です。
会社泊といってもシャワーや仮眠室などの設備があるわけでもなく、ただ自分のデスクで突っ伏して寝るだけ。
あまりにも多すぎる仕事量と納期に加えて、残業しないといけない雰囲気が社内中に蔓延していました。
夜22時からファミレスで始まる謎の会議

20時くらいまで残業し、そろそろ帰ろうかというところで突如上司から「22時から会議をやる」と宣言されます。
上司と私、そしてバイトの2名で近くのファミレスで会議開始。
ファミレスなので当然周りはやかましく、さらに上司がするのはほとんど雑談でした。
もはや会議のテイを成してなく、私は終電を気にするあまりまったく会議に集中できません。
23時半くらいにようやく会議が終わり、全力ダッシュでギリギリ終電で帰れました。
支払うという概念がない残業代

これまで残業の話をしてきましたが、本当に怖いのはその分の残業代が一切支払われないということです。
いわゆる「サービス残業」というやつですね。
社内規定によると何十時間かの残業はもとから給料に含まれている、ということでしたがその社内規定がどこにあるのかわからず確認は不可能。
だいぶ昔のことなので細かい内訳は覚えてませんが新卒時の給料は17万円、手取りは14万円でした。
私は当時実家ぐらしだったので生活はできていましたが、地方から上京してきた同期もたくさんいたので生活は本当に苦しかったと思います。
定時の時間が一般的ではない

定時が11時出社、20時退社でした。
それ自体がブラックというわけではないですが、ブラック体質になる可能性が高いと考えています。
基本的な帰宅時間が遅いと残業が常習化、夜遅く帰るので自分の時間が少なくなります。
結果として夜更かしが続き、朝寝坊で生活リズムが整わなくなります。
当時の私は深夜2時就寝、朝9時起床でした。
ホワイト企業に勤めて始めてから生活リズムが変わり、今では23時就寝6時起床という生活を送れています。
どちらが健康的かと言われたら間違いなく後者ですよね。
病気で休んだら上司からパワハラ

日頃の長時間労働がたたったのか、ある日風邪で3日間ほど寝込んで会社を休みました。
ようやくある程度復調したので出社したところ、上司から衝撃の一言「今日一日でこれまでの3日分働け」と。
ズル休みではなく本当に体調不良で休んでいたし、まだ全快してはいないけどこれ以上会社に迷惑をかける訳にはいかないと無理やり出社して朝一番での上司の一言がこれです。
まったくもって意味がわからず、16年経った今でも理解できません。
私の中で永遠に伝説のパワハラとして心に残り続けている一言です。
有給取得が許可制で却下されることもある

基本的に有給を取るときは上司に報告し、なぜ休みたいのかを説明しなければなりません。
その理由に上司が納得しなければ有給は取得できないということ。
なので全社員有給取得率が凄まじく低く、病気や忌引以外で休んでいる人がほとんどいない状態です。
繁忙期や本当に業務上休むのが難しいならまだしも、そうではないのに休めない理由がわかりませんよね。
そもそも有給をとるのに本来は理由も許可も必要ありません。
休日出勤当たり前

休暇を取らせないくせに休日は当たり前のように奪ってきます。
4月から新卒として働き始めて、一ヶ月後のGWはホット一息つく時間です。
普通に休めると思っていたら前日くらいに上司が「GW出れるでしょ?」と一言。
戸惑うと「今会社の状況どうなってるかわかるでしょ」とパワハラです。
GWどころではなく、土日も結局全部出勤しました。
4月から1年10ヶ月勤めたのでGWは2回経験しましたが、結局この会社でGWを休めたことはありませんでした。
ちなみに代休はありませんし、休日出勤手当なんてものもありません。
なので後にホワイト企業に勤めてからそういうものがある、それが普通ということを知って驚きました。
休日返上で会社の引っ越し作業を社員全員でやる

みんなの長時間労働のおかげで会社の業績が良かったのかわかりませんが、ある日もっと広い事務所に引っ越すことになりました。
余談ですが実は私なんの因果か、会社の引っ越しを経験することが多くその後のホワイト企業を含めて4回経験しています。
ホワイト企業の場合はPCなど自分の荷物を箱詰めしてラベルを貼り、あとは業者が荷物を運ぶ手順になっています。
ブラック企業M社の場合、箱詰めはもちろん、荷物の運搬や清掃など引っ越しにかかわる作業を全部社員にやらせます。
平日は営業中ということで無理なので、つまり休日に行われるということ。
私はさすがにありえないと思ったので、ずっと前から予定が入っていると拒否しました。
引越し後に出社したら同期を含めたみんなから嫌味を言われる、まさに地獄です。
みんな会社に洗脳されている状態で、それに従わないのが悪というように正常な判断ができなくなっていたと思います。
電話受けの強要

2コール目までに若手が必ず電話に出るという謎ルールがありました。
電話に出る対応に積極性がないと先輩社員から叱られたり注意を受けます。
WEB制作会社なので、社員の多くがエンジニアやデザイナーといったクリエイターだが電話対応のために頻繁に作業を中断されることになるのです。
私はエンジニアなので設計したりコードを考えたり、バグの原因を突き止めるのに長考することがよくあるがそんな中でも電話対応を優先させなければなりません。
そもそもかかってくる電話はだいたい社長か役員宛で、若手に電話にかかってくることはほとんどないんです。
みんなわかってるのに、社会勉強だということで若手に強要してきます。
後のホワイト企業でそんなものは常識でもなんでもなかったことに気付かされました。
そもそも会社宛にかかってきた電話は窓口で受けるので、他の社員が出る必要がないんですよね。
個人用のIP電話も用意されていたが、当然その人に向けて電話がかかってくるのでストレスフリーでした。
正社員が突然バックレる

「バックレる」というのはある日会社にこなくなるということです。
アルバイトならまだしも正社員がバックレるのは本当に異常です。
1年10ヶ月という短い間に、同期を含めた5人以上の社員がバックレました。
当然退職者の数も多いです。
ある日鳴り物入りで入ってきた30歳の社員がいました。
私よりも後に入ってきましたが経験は10年ほど上ということで、初日から先輩風を吹かせまくります。
「俺は今までこんなに有名な会社で働いてきた」
「すごい技術力を持っている」
とウザかったんですが、仕事ができるなら…と我慢していました。
しかし、蓋を開けてみると大して有能でもないんですよね。
そしてこのひともまた会社のブラック体質にやられ、休みがちになります。
ある日から会社に来なくなり、上司の命令でタッグを組まされていた私がその時抱えていた仕事の尻拭いをすることになりました。
不必要にみんなで一緒にいたがる

アットホームを意識しているのか知りませんが、不必要にみんなが参加するイベントを設けたがります。
飲み会を頻繁に開催し、そのお金を会社や上司が払ってくれるわけでもありません。
当然終電帰り、人によっては会社泊、翌日も定時から普通に仕事、そして長時間労働です。
昼休みもみんなでランチに行くことがほぼ強制で、場所が渋谷や神楽坂だったこともありランチ代も馬鹿になりません。
ランチ代1,000円だとしても月に20日働いたら2万円。
休日もBBQをしたり、スポーツ大会をしたり全てに参加していたら社員のプライベートの時間はほぼなかったと言えます。
退職の旨を上司に告げると3時間軟禁タイムスタート

1年半ほど勤めて、さすがにおかしい、もう限界ということで退職を決意しました。
上司に伝えたところ、定時後に会議室に呼び出されます。
そこから引き止めと説教を含めた3時間の軟禁がスタート。
退職の旨を告げたときはまだ次の就職先も決まっておらず、正直気持ちが揺れていた部分もありましたが、この3時間軟禁で絶対に退職するという決意が固まりました。
そして4ヶ月後にようやく退職。
この4ヶ月間はどのように過ごしていたか、思い出そうとしてもなぜかあまり記憶がないのです…。

新卒でブラック企業に入社してしまうと、そこでの出来事が常識だと思ってしまいます。
拘束時間が長く、休日返上、プライベートの時間が少ないので視野が極端に狭くなるのです。
会社や仕事のことを考えている時間が長いので、他のことをする余裕がなくなるということ。
結果的に洗脳状態となり、何が良くて何が悪いのか判断がつかなくなってきます。
給料が少ないのでたまの休みでもお金を使えず、気分転換すらできない、本当に生活するだけで精一杯。
普通の会社で働いたときよりスキルや特に一般常識が身につかない可能性が高いので、転職活動のときに苦労します。
仕事が下請けや受注前提

常に納期が厳しいです。
クライアントの言う事はほぼ絶対なので、無茶な要求を受けざるを得ない場合が多くあります。
営業もノルマがあるので必死に仕事をとってきます。
結果として個人だけではなく会社全体が受けられる仕事量のキャパシティーを超えることに。
誰もカバーできない状態が続くので、一人ひとりが残業や休日出勤で死にものぐるいでなんとかします。
結果的に営業やディレクターと仲が悪くなり、社内の空気が悪くなりがちに。
私は2社のブラック企業勤めでようやくこれに気づいたので、3社は自社サービスを持っているところを優先的に就職活動して、無事ホワイト企業に入ることができました。
求人広告で「アットホーム」という言葉を使いがち

これは今となっては有名な話ですが、当時私が勤めてしまったブラック企業もそういう文言を売りにしていました。
会社や仕事にアットホームは必要ありません。
求人広告で飲み会の写真やBBQ、スポーツ大会をやっている写真が掲載されている

別にやること自体が悪いと言いたい訳ではないですが、業務外でもそういったことに時間を取られる可能性が高いです。
会社の人とは仕事の話、遊びは遊びでわけたほうが絶対にいいと個人的には思っています。
会社の人と仲良くしたいなら個人間で勝手にやればいいだけで、会社が半ば強制的にそういうイベントに作って参加させる必要はありませんよね。
給料が年棒制

別に年棒制が悪いと言っているわけではないですが、これまでの経験からすると月給の具体的な数字を曖昧にしたいがために年棒制を採用しているのではと感じています。
求人広告に書かれている年棒にも内訳などの詳細がなく、モデルケースのマックス値が記載されている場合もあり、実際にはもっと少ない給料になることが多いです。
賞与の有無や額も不透明で、みなし残業で数十時間働いても給料据え置きのパターンもあるから本当に要注意です。
本記事では「【軟禁3時間】ブラック企業の壮絶エピソード!地獄の5年を味わったWEBエンジニアが心にずっと封印してきた業界の闇を大暴露」について書きました。
本記事は10数年前のIT業界のブラック企業について、私の実体験をお話しました。
働き方改革などが進んでいますがSNSからの情報やニュースなどからも、まだまだこのような状態の企業や会社はあることが垣間見えます。
生きていく上でお金を稼ぐ方法のひとつに雇われる、企業や会社の勤めるという方法があります。
今後就職や転職の際に、このトーク内容がブラック企業かどうかを見分ける助けになり、充実した生活につながれば幸いです。
